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【5分でわかる】光治療(IPL)の特徴や種類、選び方など治療詳細について

しみ
2020.06.15.月曜日
しみ | 2020.06.15.月曜日

 

前回、シミには種類があり、シミ治療はその種類の正確な診断が重要であり、どういう治療法があるのかをご紹介させていただきました。

【シミ治療1】シミ治療は診断を誤ると悪化させるリスクあり?!
【シミ治療2】シミ治療の種類を徹底解説

今回、その中でも最も患者さんに人気のある光治療(IPL)について詳しくご紹介させていただこうと思います。

光治療(IPL)について

IPLはIntense Pulsed Light(インテンスパルスライト)の略で、有害な紫外線をカットした強い光を照射し、シミ組織だけをターゲットにエネルギーを照射することで、メラニン組織を破壊してシミを浮かせる治療です。冷却ジェルを塗布して、カメラのフラッシュような短い光を照射して治療していきます。

IPLの特徴は有害な紫外線をカットした幅広い波長(500~1200nm)を持つ光を照射できる点です。

そのため、1つの機器だけでシミやそばかすの原因であるメラニン色素や赤ら顔の原因であるヘモグロビンなど、様々な症状に効果のある治療器です。

シミ治療、レーザーと光治療(IPL)の違い

よくレーザー治療とフォトブライト(ライムライト)の違いに関する質問を受けることがあります。
基本的に光治療もレーザー治療も治療原理は同じで、特定の波長を照射し、シミの原因となる組織を破壊し、マクロファージに貪食されることで、次第に色素が消退していきます。

大きくは発する波長が違います。光治療(IPL)の波長は(500~1200nm)の波長をハンドピースで調整できます。
レーザー治療は機種ごとに発する波長が単一に固定されており、例えば、Qスイッチルビーレーザーは694nm、アレクサンドライトレーザーは755nm、Nd;YAGレーザー(ジェネシス)は1064nm、炭酸ガスレーザーは10600nmと様々です。
局所的に照射するのに優れており、深い組織への照射に優れています。
反対に光治療(IPL)はレーザーに比べ、パルス幅が長いため、熱が広がりやすい、浅いシミに有効、威力が穏やかという特徴があります。そのため、照射後の炎症後色素沈着の発生確率が低いとされます。

症状
レーザー治療
光治療(IPL)
赤ら顔
毛細血管拡張症
Nd;YAGレーザー(ジェネシス)(1064nm)
IPL(500~1200nnm)
しみ、そばかす
Qスイッチルビーレーザー(694nm)
毛穴の開き
Nd;YAGレーザー(ジェネシス)(1064nm)
脂漏性角化症
ほくろ、イボ
Qスイッチルビーレーザー(694nm)
炭酸ガスレーザー(10600nm)
レーザー治療
光治療(IPL)
適応範囲
症状によって使い分ける必要がある
(Qスイッチルビーレーザーの場合、濃いシミやアザに有効)
広範囲の比較的シミに有効
(そばかす等)
麻酔
処置内容によって局所的に必要
不要
処置後のケア
術後1週間は保護テープが必要
特になし

光治療(IPL)の機器の違い

光治療(IPL)と言っても様々なメーカーから治療器が発売されています。
元祖と言える光治療(IPL)機器が『フォトフェイシャル』という機械です。
ですから、光治療(IPL)のことをフォトフェイシャルと呼ばれる方も多いと思います。
当院はフォトフェイシャルは導入しておりませんが、後発的に開発されたフォトブライトという治療器を導入しています。
フォトブライトはキュテラ社が開発した光治療(IPL)機器です。最大の特徴は日本人向けに特化して開発されたハンドピース「ライムライト」です。ライムライトは照射される光の種類や出力、照射時間など日本人の肌質にセミオートマチックに設定された特殊設計のハンドピースです。そのため、従来機器であるフォトフェイシャルやフォトRF(オーロラ)では反応に限界のあった日本人肌の表皮・真皮にも効果を発揮する光治療器です。

エステの光治療との違い

当然ですが、フォトブライトは出力の高い医療機器になりますので医療機関でのみ取り扱うことができます。
医療機関以外で取り扱う光治療器の全てを比べた訳ではありませんが、基本的には出力も医療用に比べ低い設定になっているものがほとんどです。また、照射できるパルス幅も異なりますので、光治療(IPL)と言ってもどういう機器なのかによって全く効果が異なります。
また、レーザー程強いエネルギー照射ではありませんが、照射方法を誤ると火傷など副作用を伴うことがあります。
そうした副作用にも正しく治療できる医療機関で処置されることをおススメします。

フォトブライト、ライムライトの特徴

ライムライト治療
照射前に冷却ジェルを塗布します。
ライムライトは1センチ×3センチのクリスタルガラスが照射口に設置されており、冷却装置が内蔵されています。
常に冷却水が循環しており、先端のクリスタルガラスを冷やす機能が備わっています。
冷却装置の無い光治療(IPL)もありますが、やはり冷却装置がある方が火傷などのリスクが最小限になり安全です。
1センチ×3センチのクリスタルガラス

ライムライトはシミ治療法の中でも特に人気の高い治療です。
その理由は大きく2つ。

1.1回で照射できる範囲が広いこと
2.アフターケアでテープ不要

医療現場ではマイクロクラストと呼んでいますが、一旦シミのところが黒く浮いてくることがありますがテープを貼るほどではありません。少しファンデーションを濃くするか、コンシーラーを塗ることで隠せる程度です。

治療後のダウンタイムが短く、気軽に処置できることから多くの方が選択する治療法です。

フォトブライト、ライムライトはどういう人におススメか

ライムライトの適応は紫外線が原因でできるシミ、日光色素斑(日光黒子)が対象です。老人性色素斑やそばかす(雀卵斑)も適応範囲です。
特にそばかすには非常に有効です。
何故なら、そばかすは広範囲に散らばっていることが多く、レーザーでは処置が大変です。
そばかすにレーザー処置できなくはありませんが、処置後に顔中テープだらけになるため、広範囲照射できるライムライトは時間的にも処置後のダウンタイムを考えても有効です。
ただし、そばかすはレーザーやライムライトなど治療方法問わず、再発しやすい色素疾患ですので、再発した場合は必要に応じて繰り返し治療を行う必要があります。
その他、ライムライトは単にシミを取り除くだけではなく以下のような症状改善や効果作用があります。

・シミ
・そばかす
・赤ら顔
・毛細血管拡張症
・ニキビ跡の赤み
・ターンオーバー促進(くすみ改善、美肌効果、キメ改善)
・真皮コラーゲン増生作用(肌のハリ、毛穴開き改善、肌質改善)

フォトブライト、ライムライトの治療経過症例

照射前、照射直後、照射から1-7日目、照射から2週間後と治療経過を紹介しております。

フォトブライト、ライムライトで肝斑治療は?

薄い肝斑はライムライトの適応範囲ですが当院では肝斑単独治療におきましてはライムライトを積極的に推奨することはありません。理由は、肝斑は炎症性の皮膚疾患と考えています。美容皮膚科として長年治療に当たってきて、肝斑には別の治療法が有効だと考えております。従いまして、広範囲のシミを治療する延長上に薄い肝斑がある場合、出力を調整しライムライトを照射することはありますが、薄い肝斑以外は基本的に専用の治療法を推奨しています。

フォトブライト、ライムライトの副作用やリスクは?

ダウンタイムは?

ダウンタイムはレーザーに比べると短いです。
しかし、稀に赤みが強く出る方がいらっしゃいます。また、先ほどご紹介したマイクロクラストが強く濃く出る方もいらっしゃいます。ですので、何か大切な行事や用事がある場合、2週間以上余裕をもって処置されることをおススメします。

痛みは?

治療工程で冷却ジェルや冷却装置付きのハンドピースで照射しますので最小限の痛みになるよう工夫はしております。
ただ、痛みが全く無いわけではなく、輪ゴムで弾かれるほどまでではありませんので、我慢できない痛みではないように思います。治療後もヒリヒリして困るというほどでもありません。少しだけヒリつく程度というものです。
これまで、治療中痛みに耐えられずに治療を中断した方はほとんどいらっしゃいませんので、痛みに関しては安心頂ければと思います。また、治療中は少し眩しく感じます。

妊娠中や特定の方は処置できない

・妊娠中の方
・てんかんをお持ちの方
・ぺースメーカーや埋め込み型の除細動器のある方
・処置部位に金属プレートが埋め込まれている方
・処置当日、皮膚状態が悪い方(蕁麻疹や皮膚感染症、ヘルペス、1ヵ月以内の日焼け)

光治療は夏時期以外がおススメ

治療後、お肌は敏感になっておりますので、特に紫外線を浴びることを控えていただいています。
ですから、ライムライト処置後は日焼けに関しては日焼け止めを使ったり、長時間直射日光を避けていただくなど、しっかり予防を頂く必要があります。
そのため、当院ではライムライトは夏場はあまりおススメしていません。
秋から冬にかけて処置を3回ほど、そして夏場の4~6ヶ月くらいは処置を休憩頂き、また秋から冬にかけてメンテナンスとして1~2回程度処置することをおススメしています。

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